口腔がん検診を苫小牧で実施しました。

口腔がんとはどういうものかご存じでしょうか?
口腔とは口からのどの部分までをいいます。
すなわち口腔がんはお口の中から喉までの範囲「口腔・咽頭」に出来るがんを言います。

あまり身近には感じないかもしれませんが、発症する数は子宮がんより多く白血病や膀胱癌よりやや低いくらいとなっています。
それくらい口腔がんに罹ってしまう方は多いと言う事なのです。

子宮がんや白血病、膀胱癌の名前はよく聞きますが、口腔がんはあまり耳にしないのではないでしょうか?

年間7000人以上の方が口腔がんで命を落としています。
発症の数から言うと45%以上の方が亡くなっている統計が出されています。
日本では罹患率が年々アップして、結果、口腔がんで無くなる方も年々上昇しています。
例えば米国では死亡率は20%弱で、日本の死亡率は他の先進国では下降傾向がある中、日本は特に高いと言う現状があると言えます。

これにはいろいろな要素が絡んでいると思いますが、日本人はお口の中以外のどこからか出血したり何かったらすぐに病院や医院に行きますが、お口の中から出血したりしてもそのまま放置してしまう。歯肉炎や歯周病も放置される傾向にありますのでそれと同じようなことかなと思っています。

口腔がんが出来る領域は、がんが出来てその切除をするとなりますと、嚥下(食物摂取など)の問題、顔貌の問題など深刻な問題が生じてきてしまうのです。
その様な現状を打破改善するため、口腔がん検診などの必要性が叫ばれています。

一般社団法人 北海道歯科医師会では平成23年より北海道各地で口腔がん検診を実施しております。
本日12番目の開催地として、苫小牧市の協力を得て、苫小牧市教育福祉センターで口腔がん検診を開催することが出来ました。
日本口腔外科学会専門医の中でも口腔がんを日常的に扱っているエキスパートの先生5名を検診医にお招きして、苫小牧歯科医師会の歯科医師7名がお手伝いして行われました。

この検診の目標は各地域で、地域の歯科医師で恒久的に地域住民の口腔がんについての検診及び診断が可能になることです。
いろいろなお口の悩みがある方を含めて、何か不安がある方は遠慮なく、かかりつけの歯科医院で相談をしていただきたいと言う思いを強く感じた、今日の口腔がん検診でした。

 

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