以前にも書かせてもらったかもしれませんが、奥の上顎にインプラントを植えるときに障害になるのは,骨の薄い時です。
インプラントは骨に植えるので、その厚みがないところに植えるのが難しい事はお解りいただけると思います。
ただし、優秀な先人の先生はそこの植える方法も考案して今ではある意味普通の感覚でそこにインプラントを埋入することが出来るようになってます。
これは、まさしく歯科医学の進歩と言えます。
私は 2年ほど前まではこの方法を用いてなかったので、それ以外の方法で咬み合わせを回復できるように工夫してきました。
ソケットリフトは以下のような方法で,インプラントを埋入します。
1.まずこんな場合
骨の厚みがありません。
一番薄いところでは2ミリくらい。
模型で見るとこのような感じです。
厚い白い粘膜が見えますが、実際には生玉子の殻の下にある薄い膜くらいの膜です。
このように粘膜を骨補填材と呼ばれる材料で持ち上げてインプラントを埋入して、持ち上げたところに骨が出来るようにします。(斜線部分)
実際植えるとこのようになります。(骨補填材で粘膜が挙上されています。ここが骨となる事を期待します。実際はこの写真ではすでに冠がかぶっていますので、挙上された部分は骨となっているわけです。)
年数経つと、骨補填材がさらに本来の骨と見分けづらくなってきてるのがわかります。
模型的にはこのようにして骨をつくってと言うのがお解りいただけると思います。
別な方の写真ですが、残せない6番を抜歯して,ソケットリフトして5.7番に埋入する計画で治療を開始しました。
かなりうまくソケットリフトして埋入できたと思っていますが,結果は神のみぞ知るです。
問題なく土台(アバットメント)を装着出来ることを祈っています。
術前に撮したCT画像のみでは、7番部分にソケットリフトで埋入はきびしそうに見えるかもしれません。
祈るとは語弊があるかもしれませんが、 埋入したあとに患者さんには同じ事を必ずのようにお話ししています。
少し大がかりなサイナスリフトという方法を用いないと無理な場合もありますが、世の中は,出来ればサイナスリフトではなくソケットリフトで骨増生という方向に次第にシフトしていると感じる今日この頃です。