漢方薬・歯痛、知覚過敏など、、

私は高校の3年生の時に体調を悪くして,大学に入っても復調しないのを心配して、今は亡き父が本屋さんから一般向けの漢方の本を買ってきてくれたのがきっかけで,漢方薬に興味を持つようになりました。

それ以来、いろいろと漢方関係の本を自分で買って読むようになり、歯科医になって数年して、日本歯科東洋医学会と言う学会があることを知りまして入会しました。
2008年にはこの学会から認定医を頂くことが出来ました。

2012年4月から、歯科でも初めて7種類の漢方製剤が,薬価基準に収載されて、保険でも漢方薬が正式につかえるようになりました。

以前から、時として漢方薬を患者さんに投薬していましたが、保険に収載されると使いやすくなり、昨年になってから、投薬する頻度が多くなっています。

たとえば、根の治療(根管治療)をしても、小量の膿の出口、これは歯ぐきのところにポツッと小さな盛り上がりが出来るのですが、これが抗生物質ではなかなか治らない場合、排膿散及湯という漢方製剤で良くなることが多いのです。
以前より、この漢方製剤を漢方薬の中では一番の頻度で使っていました。
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立効散という漢方薬は「抜歯後の疼痛・歯痛」が適応疾患名です。
ですから,基本的に歯科向けです。
耳鼻科医師が使用している論文を目にすることもあります。
抜歯後の疼痛書いてありますが、あまり手応えを感じたことがありませんでした。

近年、歯の知覚過敏を訴える方が多く、滲みる部分に適用する知覚過敏の部分に塗る薬が、多くのメーカーから発売されています。
各メーカーから次々と新製品がでてきますので、知覚過敏の方が本当に多いのだなと実感します。

しかし、知覚過敏製剤で良くなる方もいますが、なかなか良くならない方もいて、歯の知覚過敏は歯科医泣かせの疾患とも言えます。
知覚過敏の方は症状が強いと,歯の痛みが常にあると訴える方もいらっしゃいます。
しかし、では、歯髄炎(歯の中の神経の炎症)かと言えばそこまではではないので、非常に対処に困ってしまいます。

こういう方に昨年秋くらいから、立効散を1週間内服で服用していただいていますが、これが凄く効いた方が何人も出てきて、私も驚いています。

いろいろやってもどうも痛みが取れないとか滲みるとか言っていた方が、「すっかり良くなりました」とか、「今までとは全然違ってすごく効きました。」とか言われるのです。
こんなに断言するように患者さんから言われた経験は西洋薬でもそんなにあるものではありません。

もうかれこれ15年は常備していて、期限切れで廃棄することが多かった立効散ですが、ここのところ使用頻度が多くなって、最小包装の箱から、ご覧のような大きい方の包装のものを買う様になりました。
一般的に歯科医師で漢方薬を投薬する方はごく小数と思います。
こんなに効くならば、患者さんにも福音と思いますので、データをまとめて使用経験を学会で発表しようかと考える今日のこの頃です。

他にも顎関節症やその他、いろいろと歯科の分野でも効果を望める漢方製剤があります。
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漢方薬・歯痛、知覚過敏など、、 への1件のコメント

  1. はなみ より:

    初めまして。
    排膿散及湯について調べています。
    現在、根の治療、歯根端切除、歯茎切開、抗菌薬の注射などしてもフィステルが出来ます。歯茎切開時またCTやレントゲンでは歯根のヒビは判明できなかったのですがヒビの可能性があるかもと言われました。
    小林製薬の排膿散及湯の成分の薬を飲んで3日目ですが歯茎が引き締まり始めているもののフィステルは消えません。
    私のような場合には排膿散及湯は有効と思われますか?それとも一時凌ぎか飲むのを止めたらまたフィステルが出来てしまうでしょうか?

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