根管治療(こんかんちりょう)

私達は毎日の診療のなかで、治療の三本柱と言えば

1.う蝕(むし歯)の治療
2.歯肉炎・歯周炎(歯周病)
3.根管治療
となります。

根管治療には2種類あります。
1.抜随→これはむし歯が深くなって神経(歯髄)まで達してしまった場合、それを除去してそこの空洞(歯髄腔)を薬で密閉する治療。

2.感染根管治療→これは既に歯髄が死んでしまったり、もしくは以前に神経を除去して薬が入っている根管が再感染した場合に行う治療です。

今回のこの方は、歯ぐきの内側が腫れてきたとのことで見てみると、RCT1
この様な腫れが認められました。
実はこれは根管内の汚れが原因で膿が出て、それの出口の穴なのです。
(この写真はかぶっていた金属を外して、むし歯になった部分の除去を終了した状態です。この歯は前側と奥側にそれぞれ2つの根管、計4本の根管があり、これを全部処置しなければなりません。)

RCT2
場所的には右下の歯(親知らず・既に抜歯済)とその前の7番(既に抜随治療済)の一つ手前の8番です。
白く写っている金属の下にう蝕が認められます。
う蝕の原因菌によって、歯髄が感染して死んでしまったのです。

RCT3
原因を特定するために、先程の腫れた部分から、エックス線で写る材料を挿入して移してみますと、6番の5番側の根の先が黒く、そこにその材料が到達しているのがわかります。

RCT5
普段でも奥歯でも極力1〜2回、前歯や小臼歯では1回で終了できるように心がけていますが、この方は転勤でもう今月しか来院できないので、時間がかかりましたが、その日のうちに感染根管治療を終了させました。
ご覧のように4つも根管があるので、本当に大変です。
でも、無事終えることが出来ました。
ピンク色に見えるのが、掃除して整えた根管を密閉するための薬(材料)です。

RCT4
このときのX線写真です。
根の先までぴったりと薬が入っています。
あとは次回来院されるときに、この腫れがおさまっていることを願って終了です。
おさまっていれば、土台を作り型を採ると、その次来られたときに歯が入り終了となります。

RCT6
ちょうど一週間後に来院されたときの写真です。
まだ腫れた部分の名残りが見えますが、閉鎖していますので、土台を作って型を採りました。(これは術者にとっても大変うれしいことです\(^_^)/)
なかなか思う様に治ってくれないこともありますが、その場合は投薬なども併用していきます。
症状が強く出たり、悩まさせる症例ももちろんあります。
今回は一度の根治で無事成功しました。
X線で根の周囲が黒くなっている部分も数ヶ月で骨が回復してきてくれるはずです。

この例のようには膿の出口が出来る場合は痛みませんが、急性化して根の周囲に広がってしまう場合は痛みやひどい腫れが出る場合もありますし、歯の頭ぐらい根の周囲が黒くなっても無症状のこともありますので、色々なパターンがあります。

以前、大町歯科で治療したいくつかの例を既にホームページ(携帯・PC兼用)に載せていますので、よろしければご覧になっていただければと思います。
http://oomachishika.com/mobile/rct.html

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