歯科で被せる歯と言えば、以前から金属冠が主流で前歯は金属に白い部分を貼り付けたりまたは白いプラスティックやセラミックを焼いてつくっておりました。
要するに、歯科技工士さんの手作業の部分が全てでした。
技術革新とは凄いもので、ここのところCAD/CAM冠というものがかなり使われるようになってきました。
簡単に言いますと、歯の土台の形をコンピューターで読み込んで、コンピューター上で歯の形を設計して歯の素材のブロックをコンピューター制御の切削機械で削って歯(冠)を作るという方法です。
1本の単独の冠から、全顎14本のブリッジも可能です。
2014年4月から4.5番の小臼歯の単独冠で樹脂製のブロックについては保険導入もされています。
(連続冠や取り外しの義歯のバネが架かる部位については認められていません。)
適合などは非常に良いもので、驚くべきところをもちあわせ持ち合わせています。
保険外では樹脂製のブロックも使えますし、セラミック製のブロックも使えます。
セラミックの場合は下の写真の様に大きなブロック(ジルコニアというセラミック)から削り出して、それに色をつけて焼成します。
臼歯の場合はそれでいいのですが、より審美性を求める場合や前歯の場合は、これも下の写真にありますが、まずブロックから骨格を削り出します。
それに、歯の色調を彩色だけではなく、透明感のあるセラミックを技工士さんが熟練の作業で盛りつけて焼成して完成します。
金属を使わないので素晴らしく美しいです。
それぞれの歯(冠)の詳細は以前に書き込んでおりますのでここをクリックしてください。
いずれにせよ、CAD/CAMの技術は歯科界にも革命を起こしていると思います。
(上の2枚が保険適用の上顎4番の歯を削りだしたところです。)
これは保険外のセラミックのブロックです。
左下も白いものが骨格を削り出したもので、その右がセラミックを盛りつけた完成形です。
骨格の上の4本の奥歯は削りだして彩色して焼成したものです。
これは上のブロックの箱です。