天候大荒れです。

おはようございます。
昨夜から予報は出ていて、今日は市内小中学校は臨時休校と決まっていたようですが、明け方からかなり荒れていて、今も雪と風邪がひどい状態です。
来院される方は気をつけていらして下さい。
昨日は天気も良く、自宅の庭に野鳥の餌の補給をしたりもしたのですが、今日は景色が一変しました。(昨日と今朝の写真を載せてみます。)
昨日は、ヒヨドリ・シジュウカラ・ゴジュウカラ・スズメが来ていましたが、今朝もこんなにひどいのにヒヨドリがリンゴを食べに来ています。
スズメも数羽確認出来ます。
自然界の生き物は、本当たくましいですね。

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上顎洞と下顎管

インプラント治療には、基本的に言えば、植えたい場所の骨の厚みと高さが必要になります。
インプラント体はネジ状の構造になっているので、あたりまえと言えばあたりまえなのですが、植えたい場所に骨が足りないときは、骨造成という方法を併用することとなります。
上あごでは、上顎洞と呼ばれる副鼻腔があり、これが下方にずっと下がって来ていて、骨の高さが足りない場合が結構あるのです。
この場合は、サイナスリフト法とソケットリフト法という方法が用いられます。
両者適応になる条件が違うのですが、私はソケットリフト法が可能な場合には、患者・術者双方の身体的・経済的負担などが低いため、なるべくこの方法を使っています。
今までもこのブログで何度か紹介してきました。

下あごの場合には、下顎管と呼ばれる神経と血管が通る道があご骨の中を走っています。
この神経は非常にシビアで、圧迫など加わっただけでしびれ感が出てしまうもので、これは避けなければいけない重要な項目です。

上あごにしても下あごにしても、CT撮影などをして、いろんな角度から分析して治療方針を立てます。

これは、抜歯しなければならない奥歯のへのインプラント治療の写真です。
骨の高さが足りないので、ソケットリフト法を用いる事にしました。
ただ、抜歯する歯の周囲の骨も溶けてしまっていて、いろいろ考えましたが、3枚目の写真はCTによるあご骨を輪切りにしたものですが、頬側と裏側に骨の壁が残っていましたので、ソケットリフト法とさらにはインプラント周囲への骨造成を併用しての埋入を試みることにしました。
骨補填材というものを使って、ソケットリフトをしている最中の写真が4枚目の写真です。
骨補填材が山のように写っています。
これで、ソケットリフトは上手くいっていることが確認出来ましたので、5枚目の写真の様にインプラント体を埋入して行きました。
最後の写真は、術後のものです。

これは左上小臼歯(4.5番)部分への埋入です。
上顎洞によって骨の高さが足りないので、これもソケットリフト法を使っての埋入となりました。
4番部分は1枚目の画像の様に一見、骨があるように見えますが、6ミリ程度で少し足りません。3枚目のCT画像を見ると、抜歯した歯の影響で表側の骨が溶けてしまっていて、骨の高さがあるのは内側の一部だけなのがわかります。
ただ、先程の症例のように表側に骨の壁が残っています。
そのようなことで、これも先程と同じようにして埋入を行いました。
2本となり合わせなので、きれいに山状になっているのがわかります。
この部分の骨補填材が、6ヵ月ほどで骨と置き換わって、または、骨を誘導して骨をつくってくれます。

この症例はインプラントを入れ歯の固定源とするために埋入したものです。
現在、入っている入れ歯の固定源としてある天然の歯が、もう限界近くになって来たために、インプラントを埋入することとなりました。
3番を抜歯して埋入するか、その奥の4番部分にするか検討した結果、4番部分に埋入することとなりました。
しかし、2枚目のCT画像でわかる様に上顎洞が迫ってきており、そのままでは無理なので、ソケットリフト法を併用して埋入する事になりました。
3枚目と4枚目の写真の様に、きれいにリフトされ埋入することが出来ました。

これは下あごの症例です。
左下の7番には過去に他院でインプラントを埋入しており、予後良好の状態で機能しておりました。
手前側の6番の半分だけ残して大切に使ってきた歯がもうダメになり、1本追加で埋入することを希望されました。
抜歯即時埋入を予定しました。
2枚目の画像が今回埋入予定だった部分ですが、抜歯する歯の下には下顎管があり、そこまでの距離はあまり余裕がないことがわかります。
3枚目の画像は既存のインプラントの部分です。
その下にも下顎管が見えます。
抜歯する歯は弯曲して斜めに生えておりますので、それを考えて埋入しなければなりません。
5枚目の画像がドリルで方向を決めて確認した画像です。
少し奥に倒れているように見えますが、実際に埋入すると骨の無い方・弱い方に倒れて来ます。
最後の写真の様に既存のインプラントにほぼ並行に固定、埋入することが出来ました。

インプラント治療は義歯からの脱却、安定しない義歯の固定など、患者さんにとっては福音となる治療法だと思います。
ただし、むずかしい症例であったり、簡単そうでもうまく骨と着かないこともあります。
原因は患者さんの全身状態だったり、感染だったり、埋入時のエラーだったり色々あるのですが、より成功率が高くなるように心がけて頑張っているつもりです。
歯で悩まれている方は、相談電話も設けていますので、ご相談いただければと思います。

 

 

 

 

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謹賀新年

明けましておめでとうございます。
昨年も大町歯科に通院していただき、ありがとうございました。
本年もできる限り、スタッフ一同頑張って地域医療に貢献していく所存ですので、よろしくお願い申し上げます。
今年は1/5(火)から診療致します。

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ゴミボックス

前回の投稿から、何と2ヵ月を経過してしまいました。
10月11月は、学会・研修会や歯科医師会会務が毎年とても多い月間です。
ということで、あっという間に2ヵ月が経ってしまいました。

2ヵ月の間には、アメリカザリガニの子が孵ったり(厳しい生存競争の中10匹ほどが生き残りかなり大きくなりました。アメリカザリガニは私が小学生の頃に家で孵ったことがあります。)、北海道開拓の村に久し振りに行けたりもしまして、充実していたと言えば充実した2ヵ月だったとも言えます。
今週の連休は会務や学会(学会はありましたが休息日としました。)が無く、2日間休むことが出来ます。

今日は連休1日目、何年も前から懸案だった「ゴミのカラス対策」に数日前手頃な値段で良いゴミボックスを見つけそれが昨日届いたので、それを近所の友人に手伝ってもらい寒い中組み立てをしました。
制度がいまいちなところもあって、途中、歯科で使う器具で金属加工したりしましたが無事組み立てと設置が完了しました。
あとは自宅のテレビの音がとても悪いので外付けスピーカーとアンプをつけていたのですが、そのアンプが壊れたので、Digi Fiという雑誌の付録のデジタルパワーアンプというのをセッティングしたり、以前いただいたデッサン画を額装してきたりもしました。
あとは、ザリガニの水槽の掃除がありますが、夜になってしまいました。

休みですが医院の仕事(雑務やインプラント治療の計画書など)も残っていますので、今晩か明日にでもやろうと考えています。
今年もあと一ヶ月と少しになってしまいました。
新しい年を迎えられるように、明後日からまた仕事に勉強に会務に頑張ろうと思います。

 

 

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根管治療(こんかんちりょう)

私達は毎日の診療のなかで、治療の三本柱と言えば

1.う蝕(むし歯)の治療
2.歯肉炎・歯周炎(歯周病)
3.根管治療
となります。

根管治療には2種類あります。
1.抜随→これはむし歯が深くなって神経(歯髄)まで達してしまった場合、それを除去してそこの空洞(歯髄腔)を薬で密閉する治療。

2.感染根管治療→これは既に歯髄が死んでしまったり、もしくは以前に神経を除去して薬が入っている根管が再感染した場合に行う治療です。

今回のこの方は、歯ぐきの内側が腫れてきたとのことで見てみると、RCT1
この様な腫れが認められました。
実はこれは根管内の汚れが原因で膿が出て、それの出口の穴なのです。
(この写真はかぶっていた金属を外して、むし歯になった部分の除去を終了した状態です。この歯は前側と奥側にそれぞれ2つの根管、計4本の根管があり、これを全部処置しなければなりません。)

RCT2
場所的には右下の歯(親知らず・既に抜歯済)とその前の7番(既に抜随治療済)の一つ手前の8番です。
白く写っている金属の下にう蝕が認められます。
う蝕の原因菌によって、歯髄が感染して死んでしまったのです。

RCT3
原因を特定するために、先程の腫れた部分から、エックス線で写る材料を挿入して移してみますと、6番の5番側の根の先が黒く、そこにその材料が到達しているのがわかります。

RCT5
普段でも奥歯でも極力1〜2回、前歯や小臼歯では1回で終了できるように心がけていますが、この方は転勤でもう今月しか来院できないので、時間がかかりましたが、その日のうちに感染根管治療を終了させました。
ご覧のように4つも根管があるので、本当に大変です。
でも、無事終えることが出来ました。
ピンク色に見えるのが、掃除して整えた根管を密閉するための薬(材料)です。

RCT4
このときのX線写真です。
根の先までぴったりと薬が入っています。
あとは次回来院されるときに、この腫れがおさまっていることを願って終了です。
おさまっていれば、土台を作り型を採ると、その次来られたときに歯が入り終了となります。

RCT6
ちょうど一週間後に来院されたときの写真です。
まだ腫れた部分の名残りが見えますが、閉鎖していますので、土台を作って型を採りました。(これは術者にとっても大変うれしいことです\(^_^)/)
なかなか思う様に治ってくれないこともありますが、その場合は投薬なども併用していきます。
症状が強く出たり、悩まさせる症例ももちろんあります。
今回は一度の根治で無事成功しました。
X線で根の周囲が黒くなっている部分も数ヶ月で骨が回復してきてくれるはずです。

この例のようには膿の出口が出来る場合は痛みませんが、急性化して根の周囲に広がってしまう場合は痛みやひどい腫れが出る場合もありますし、歯の頭ぐらい根の周囲が黒くなっても無症状のこともありますので、色々なパターンがあります。

以前、大町歯科で治療したいくつかの例を既にホームページ(携帯・PC兼用)に載せていますので、よろしければご覧になっていただければと思います。
http://oomachishika.com/mobile/rct.html

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