歯と歯の神経(歯髄・しずい)を残す。

私たち歯科医の毎日は、う蝕や歯周疾患(歯肉炎・歯周炎)、歯の欠損などに対応する診療を行っています。

う蝕については初めてう蝕になった歯より、過去にう蝕になって治したけどまたなってしまった、「二次齲蝕(二次カリエス)」の治療の比率が高いと思います。

う蝕が深いと歯髄を取らないといけないのですが、歯髄を取ってしまうと歯の寿命は落ちてしまいます。
どういうことかと言いますと、生きている歯より神経の取った歯は割れやすいと言うことです。
(恥ずかしながら、自分も歯髄を取ってもらった・または自分で取った歯が2本割れてしまって、左上と左下の7番がありません。)

歯髄を取った歯には土台を立てて、その上に歯を被せますが、咬む力や何10㎏にもなりますので、土台がくさびの役目になってしまい割れることが多いのです。

う蝕にならないと歯髄を取ることは通常は無いです。

歯を抜くと、固定性のブリッジか取り外しの義歯かインプラント治療と言う事になりますが、残せる根は極力根の治療(根管治療)を行って残します。

残せないと判断した場合は、その旨ご説明して抜歯します。
見えやすいところは極力仮歯を作製します。

う蝕を取り残すと、二次齲蝕になりますので、う蝕検知液と言われる薬剤でう蝕になっているところを識別しながら、極力取り残しの内容に除去していくわけです。
(ドックベストセメントと言う、う蝕を残したままでもう蝕の中の細菌を殺してくれる作用を持つスグレモノの材料があり、大町歯科でも常備しておりますが、これは保険診療では認められていないので、ごくたまに希望の方に使うのみです。)

う蝕を除去して歯髄を残せる場合ですが、その部分を樹脂や土台用のセメント等で補修して型を取ります。
しかしながら、写真の様に前歯でここまで除去してしまうと、セメントなどで補修するだけではすぐに土台部分が折れたり、かぶせた冠が外れてしまいます。

そんなときには、生きている歯(歯髄がある歯)用のピンを使って補強して土台用の樹脂系の材料で土台を作ります。
これが無い場合、出来ない場合は歯髄を取る治療をして、土台を立ててと言う事になってしまいます。

適応があるのは本当にごくたまにですが、いざというときに利用します。この材料(ピン)は恐ろしく高価なのが難点です。が常備しています。

ということで、短いですが根の治療をきちんと出来て残す価値があると判断した根の写真とう蝕を取ってピンを打って土台を作り、形を整えて仮歯まで入れた写真を載せたいと思います。

仮歯の幅が隣の歯より広くなってかっこうが悪いので、次回隣の歯のう蝕を取って、こちらは充填(白い材料をつめる)で済みましたので、歯の幅を調整してから型を取りました。


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