上顎洞と下顎管

インプラント治療には、基本的に言えば、植えたい場所の骨の厚みと高さが必要になります。
インプラント体はネジ状の構造になっているので、あたりまえと言えばあたりまえなのですが、植えたい場所に骨が足りないときは、骨造成という方法を併用することとなります。
上あごでは、上顎洞と呼ばれる副鼻腔があり、これが下方にずっと下がって来ていて、骨の高さが足りない場合が結構あるのです。
この場合は、サイナスリフト法とソケットリフト法という方法が用いられます。
両者適応になる条件が違うのですが、私はソケットリフト法が可能な場合には、患者・術者双方の身体的・経済的負担などが低いため、なるべくこの方法を使っています。
今までもこのブログで何度か紹介してきました。

下あごの場合には、下顎管と呼ばれる神経と血管が通る道があご骨の中を走っています。
この神経は非常にシビアで、圧迫など加わっただけでしびれ感が出てしまうもので、これは避けなければいけない重要な項目です。

上あごにしても下あごにしても、CT撮影などをして、いろんな角度から分析して治療方針を立てます。

これは、抜歯しなければならない奥歯のへのインプラント治療の写真です。
骨の高さが足りないので、ソケットリフト法を用いる事にしました。
ただ、抜歯する歯の周囲の骨も溶けてしまっていて、いろいろ考えましたが、3枚目の写真はCTによるあご骨を輪切りにしたものですが、頬側と裏側に骨の壁が残っていましたので、ソケットリフト法とさらにはインプラント周囲への骨造成を併用しての埋入を試みることにしました。
骨補填材というものを使って、ソケットリフトをしている最中の写真が4枚目の写真です。
骨補填材が山のように写っています。
これで、ソケットリフトは上手くいっていることが確認出来ましたので、5枚目の写真の様にインプラント体を埋入して行きました。
最後の写真は、術後のものです。

これは左上小臼歯(4.5番)部分への埋入です。
上顎洞によって骨の高さが足りないので、これもソケットリフト法を使っての埋入となりました。
4番部分は1枚目の画像の様に一見、骨があるように見えますが、6ミリ程度で少し足りません。3枚目のCT画像を見ると、抜歯した歯の影響で表側の骨が溶けてしまっていて、骨の高さがあるのは内側の一部だけなのがわかります。
ただ、先程の症例のように表側に骨の壁が残っています。
そのようなことで、これも先程と同じようにして埋入を行いました。
2本となり合わせなので、きれいに山状になっているのがわかります。
この部分の骨補填材が、6ヵ月ほどで骨と置き換わって、または、骨を誘導して骨をつくってくれます。

この症例はインプラントを入れ歯の固定源とするために埋入したものです。
現在、入っている入れ歯の固定源としてある天然の歯が、もう限界近くになって来たために、インプラントを埋入することとなりました。
3番を抜歯して埋入するか、その奥の4番部分にするか検討した結果、4番部分に埋入することとなりました。
しかし、2枚目のCT画像でわかる様に上顎洞が迫ってきており、そのままでは無理なので、ソケットリフト法を併用して埋入する事になりました。
3枚目と4枚目の写真の様に、きれいにリフトされ埋入することが出来ました。

これは下あごの症例です。
左下の7番には過去に他院でインプラントを埋入しており、予後良好の状態で機能しておりました。
手前側の6番の半分だけ残して大切に使ってきた歯がもうダメになり、1本追加で埋入することを希望されました。
抜歯即時埋入を予定しました。
2枚目の画像が今回埋入予定だった部分ですが、抜歯する歯の下には下顎管があり、そこまでの距離はあまり余裕がないことがわかります。
3枚目の画像は既存のインプラントの部分です。
その下にも下顎管が見えます。
抜歯する歯は弯曲して斜めに生えておりますので、それを考えて埋入しなければなりません。
5枚目の画像がドリルで方向を決めて確認した画像です。
少し奥に倒れているように見えますが、実際に埋入すると骨の無い方・弱い方に倒れて来ます。
最後の写真の様に既存のインプラントにほぼ並行に固定、埋入することが出来ました。

インプラント治療は義歯からの脱却、安定しない義歯の固定など、患者さんにとっては福音となる治療法だと思います。
ただし、むずかしい症例であったり、簡単そうでもうまく骨と着かないこともあります。
原因は患者さんの全身状態だったり、感染だったり、埋入時のエラーだったり色々あるのですが、より成功率が高くなるように心がけて頑張っているつもりです。
歯で悩まれている方は、相談電話も設けていますので、ご相談いただければと思います。

 

 

 

 

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