ソケットリフト2

上あごの臼歯部に人工歯根であるインプラント埋入するときに、問題になりやすいのが、骨の幅はあるけれど骨の厚みがないことです。
厚みが薄い理由は、骨(歯槽骨・しそうこつ)の上方にある、上顎洞(副鼻腔)がずっと下がっているタイプの型と言う事になります。

インプラントはネジ状のものですから、厚みがないと固定できないわけです。
今回ご紹介するのは、右側の上あごの大臼歯部です。
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骨の厚みが2〜5ミリと言ったところです。
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上の部位を輪切りにしたCT断層写真です。
このように骨の厚みが、インプラントの長さより足りないのがおわかりいただけると思います。
(この画像の時点では、上顎洞内に炎症も認められます。)
今回は、上顎洞の粘膜(卵の殻の薄皮くらいの薄く弱い膜です。)をインプラントを植える穴から、骨補填材と呼ばれる骨を誘導してつくる材料を入れて、それで押し上げる方法、ソケットリフト法を使いました。
短所は膜が薄いので穴が空きやすいことです。
その場合はしばらく期間をおいて膜の回復を待って、再びオペを行います。
長所は侵襲が少なく、費用も少なく出来ることです。
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これは骨補填材でその膜を持ち上げたところのX線画像です。
穴は空かないで、理想的に山状に粘膜が持ち上げられているのが確認出来ます。
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確認が出来ましたので、インプラントを所定の位置まで埋入しました。
これで、補填材が骨に置き換わるまで5〜6ヵ月ほど待ちます。
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埋入終了後の写真です。
今回は粘膜の剥離も無しでこのように、ちょっと血がにじむ程度です。
帰宅後、今までの義歯を入れて普通に食事をすることも可能ですし、腫れたりすることもほとんどありません。

ソケットリフト法が適用出来ない場合などは、サイナスリフト法という方法を用いますが、ソケットリフト法よりもかなり大がかりで費用もかかってしまいます。

費用とかだけではなく、色々な条件、環境を加味して考えなければなりません。
そこが医療のむずかしいところでもあるのかなと勝手に考えております。

詳しくはご相談ください。

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