義歯の2ページ目では、一昔前では夢だった金属のバネがない、ナイロン義歯をご紹介します。バルプラスト義歯とかスマイル デンチャーという名称で呼ばれているものもあります。
ご覧のように、通常の金属のバネが樹脂部分で一体化されています。
従来の保険の義歯の材料では不可能だったことです。
アメリカで開発された、全く新しい義歯です。

ほぼ、同じ設計のノンクラスプ義歯(左)と保険の義歯です。
材質は防弾チョッキにも用いられているナイロン製で、通常の義歯のような金属の「バネ」のかわりナイロン部分で残っている歯を抱きかかえ入れ歯を固定します。口の中に入れると左写真のように歯ぐきと一体化して、見えなくなります。

薄いのも特徴で、軽くフィット感が良く、非常に審美性の良い義歯です。

保険外診療ではありますが、骨の形態などによって、人工歯根(インプラント)を希望されても出来ない方にも、インプラントを数本手術で埋めるよりは、簡単で経済的です。
治療の回数は、通常の保険の義歯と同じです。ただし、日数は幾分余計にかかります。

この材質は非常に弾力があるため、残っている歯が歯周病などで弱い場合などにも、有効な義歯と言えます。


では、実際の症例で見てみましょう。

左写真の上が、保険の義歯です。クラスプと呼ばれる固定用の金具が付いています。
ノンクラスプ デンチャーはそれがなく、ピンク色の部分が延長した形です。

金属より弾力性があるので、入れるときはきつく感じますが、パチンと入ると、入れ歯の薄さも相まってフィット感が全然違うようです。
保険の入れ歯に比べての短所は、修理が出来ないか、出来ても簡単にはできないことです。
よって、バネのかかる歯のう蝕の治療、根管治療(根の中の掃除)や歯周病・歯肉炎の治療が適切にされていない、させていただけない方への作製はお断りいたしています。
1.歯の欠損状態がおわかりいただけます。
過去の歯周病で歯ぐきが痩せ、長くなった歯もわかります。
2.保険の入れ歯です。左(向かって右)の3番の歯と入れ歯の歯の長さのバランスの悪さも目立ちます。
3.4.ノンクラスプ デンチャーセット後の写真です。
バランスも良く、金属色も見えないので、笑っても入れ歯とは気づかれることはないでしょう。

左の奥歯2本が抜歯され、2本の入れ歯を下の左のように入れていましたが、ノンクラスプ デンチャーを希望され、右下のようにセットすることが出来ました。構造の違い、目だたなさがよくわかると思います。

ノンクラスプ 義歯(デンチャー)は、保険外診療になります。
料金は歯のない本数や場所によって変わってきます。
入れ歯の歯の数が 1〜4歯 89.000円 5〜8歯 111.000円 9歯以上 150.000円を基本にお考えください。